マニュライフ生命 こだわり個人年金はアリ?ナシ?

保険

個人年金保険料控除の枠が空いていて、何とか良い節税手段がないかと考える人も多いのではないでしょうか?

私もそのように考えていて、個人年金保険ランキングで人気があるマニュライフ生命のこだわり個人年金について資料請求やセールスマンとの面談をしました。

マニュライフ生命のこだわり個人年金は投資としてアリなのかナシなのか、保険料控除も含めて統合的に分析しています。

個人年金保険について検討されている人は是非見ていってください。

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結論

マニュライフ生命のこだわり個人年金は個人的にはナシ

保険料控除を含めたとしても、投資としてのリターンは低いです。

個人年金保険に入るなら米国株式に連動するインデックスファンドを買うのが良いですし、

どうしても投資アレルギーがあって個人年金保険が良い人は、JA共済のライフロードがまだ良いと思います。

マニュライフ生命のこだわり個人年金のメリット4選

マニュライフ生命のこだわり個人年金は、外貨建ての個人年金保険です。

こだわり個人年金の良いところは4つあります。

  1. 個人年金保険料税制適格特約を付加し、個人年金保険料控除の枠が使える
  2. 毎月定額で日本円を拠出するため、ドルコスト平均法で外貨の資産を築く事が可能
  3. クレジットカード払いができる
  4. 最低1.5% の積立利率が保証される(2021年4月現在)

個人年金保険料控除の枠が使える

ここが一番のメリットだと思います。一般生命保険料控除の枠は使っている人は多いと思いますが、個人年金保険料控除の枠は使えていない人も多いのではないでしょうか?

このブログで紹介しているソニー生命の変額個人年金や明治安田生命のじぶんの積立も一般生命保険料控除の枠になります。(名前は個人年金っぽいのですが、、、)

個人年金保険料控除の枠が使える保険は数が少なく、利率が良いとされている外貨建てで使えるのはこのマニュライフ生命のこだわり個人年金くらいかなと思います。

個人年金保険料控除をフルに使うことで、所得税率20%の人であれば10,800円が年末調整で返ってきます。

節税の計算については下記の記事に詳細書いておりますので、気になる方は御覧ください。

ドルコスト平均法

こだわり個人年金は毎月一定の日本円を拠出して、外貨を買う形になります。

そのため、ドルコスト平均法で円高のときは買う量が少なく、円安のときは買う量が多くなるので、結果的に平均購入単価を下げることができます。

あと、毎月一定額の拠出なので支出が読みやすいというのも地味なメリットですね。

クレジットカード払いができる

3つ目はクレジットカード払いができることです。細かい点ですが、保険は長く続くものなので、累積の拠出額は大きくなるため、1%のクレジットカードのポイントがつくのは重要です。

楽天カードで支払えば楽天ポイントが貯まり、楽天ポイントで投資信託を購入することができるので、資産形成の一助になると思います。

最低1.5% の積立利率が保証される

こだわり個人年金は積立利率が変動していきますが、積立利率として1.5%が最低保証されています。つまりこれからどれだけ米国金利が下がったとしても1.5%は維持されるということです。

2021年05月01日 に設定された基準積立利率は米ドル1.90%、豪ドル1.75%となっています。(毎月変動します)

多くの円建ての個人年金保険よりも高い利率ではないでしょうか。

マニュライフ生命のこだわり個人年金のデメリット

ここまでメリットについて見ていきましたが、デメリットも紹介します。

保険関係費が高い

保険で資産運用するときの欠点ですが、保険関係費が引かれます。

つまり、投資した金額全てが資産運用に回るわけではなく、保険金支払いの準備金や保険会社の人の給与等に回る分があるため、投資信託などを自分で買い付ける場合と比べて投資効率が悪くなります。

特に契約の初めの方は引かれる金額の割合が大きいです。

手計算でざっくり計算した感じだと、1年目は支払った金額の35%程度しか運用に回りません。逆に言うと65%は保険会社の懐に入れられています。

契約から年数が経つにつれて運用に回るお金は多くなるので、30年契約した場合でざっくり支払った金額の90%程度が運用に回されています。つまり、最終的に10%程度が保険会社の人の給与等に充てられています。

投資信託で信託報酬が安いemaxis slimシリーズだと、信託報酬が0.1%程度で30年積立投資をした場合の累計の信託報酬率は1.7%程度なので、8倍くらいの維持コストがかかっていることになります。

月額1万円以上でないと契約できない

保険での資産運用において、実質の利率を高めるためには、月額の支払い額は5,000円程度に収めるべきです。

これは住民税への保険料控除は年間56,000円以上の支払いで28,000円の控除が限度となっており、56,000円以上支払っても控除額は増えないためです。

年間56,000円なので、月額換算だと約5,000円です。

JA共済のライフロードや明治安田生命のじぶんの積立やソニー生命の変額個人年金は月額5,000円程度にすることはできるのですが、

このマニュライフ生命のこだわり個人年金は月額の支払い最低金額が1万円のため、投資効率が悪くなります。

インデックス投資信託と比べると年利が高くない

円建ての個人年金保険に比べれば、利率は高いですが、インデックス投資と比べると利率は劣ります。

(インデックス投資は株式に投資するものなので、リターンが高い分リスクを背負っているので当然ではあるのですが)

しかし、S&P500のように広く分散された指数に投資するインデックス投資では、長期で見るとリターンがマイナスになるような事態が起こる確率は限りなく低いです。

1994年〜2021年のデータで見ると、16年以上継続して投資していれば、いつから投資を初めたとしてもマイナスになる確率は0でした。

詳細は下記の記事を御覧ください。

シミュレーション

以上のメリットとデメリットを踏まえて、シミュレーションをします。

こだわり個人年金のシミュレーション

毎月最低額の1万円を積み立て、積立利率については1.5%を前提として計算します。
(1.5%は最低保障利率なので、一番悪いケースを想定しています。)

ただし、保険関係費は契約年齢などによって異なるため、参考程度です。

毎月最低1万円を33年間拠出して、その後10年間年金を受け取るケースです。

その場合、受け取る額は年間47万円程度になります。(実際のシミュレーションはドル建ての金額で記載されていますが、積立開始時の為替レートからずっと変動なしとして計算しています。)

このとき、エクセルのIRR関数で利回りを計算すると、

年利0.80%になります。

これは契約の序盤は保険関係費等を多く取られて、支払ったお金のうち運用に回るお金が少ないためです。

運用に回ったお金は1.5%の利率で回っていますが、運用に回らないお金も多いということです。

ただし、上記は生命保険料控除やクレジットカードによるポイントを考慮していない利回りです。

所得税20%と仮定すると、年間12万円の保険に入っている場合、年末調整で10,800円が戻ってきます。さらにクレジットカードのポイントが1%分付くとすると、年間の支払額は実質12,000円 減り、実質の年間の支払額は10万8千円となります。(受け取る年金額はもちろん変わりません。)

それを考慮した場合の年利は1.28%となります。

最低保証利回りの1.5%より高く、積立利率が2.5%で回ったとしても、保険関係費などを引いた後の実質の年利は2.08%程度となるかと思います。(こちらは手元の数字をもとに推測で計算)

投資信託と比較

比較対象がないとわかりにくいと思うので、投資信託と比較してみます。

米国株式全体に投資するS&P500の平均期待利回りは5%〜7%です。

また、明治安田生命のじぶんの積立は所得税20%の同条件なら年利6%で回すことができます。

それと比較すると年利1.28%〜2.08%はかなり物足りないかなと思います。

もちろん、株への投資はそれなりのリスクを伴うので比べるのが適切ではないかもしれないです。

ただし、こだわり個人年金も外貨建での元本保証はありますが、為替リスクがあるため、日本円ベースでの元本保証はありません。

さらに、株への投資でもS&P500のように広く分散された指数に投資するインデックス投資では、長期で見るとリターンがマイナスになるような事態が起こる確率は限りなく低いです。

1994年〜2021年のデータで見ると、16年以上継続して投資していれば、いつから投資を初めたとしてもマイナスになる確率は0でした。

リスクとリターンのバランスを考えると、マニュライフ生命のこだわり個人年金で資産運用するよりは、インデックス投資で資産運用するのが良いかと思います。

まとめ

マニュライフ生命のこだわり個人年金のメリット・デメリットについて解説してきました。

個人的には、こだわり個人年金で資産運用するのはナシだと思います。

結局リターンとリスクのバランスを考えた時に、インデックス投資で資産運用するほうが圧倒的に良いと思います。(資産の流動性の観点でみても保険より投資信託ですね。)

投資は投資、保険は保険と分けるのがよく、こだわり個人年金はオススメしません。

どうしても投資へのアレルギーがあり、保険で資産運用したい場合は、

・JA共済のライフロード(別で記事を書きます)
・明治安田生命のじぶんの積立
【最強の節税保険】明治安田生命じぶんの積立【高年収なら入るべき】
・ソニー生命の変額個人年金
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