Youtubeでは積み立ての保険には入るな!!って言われてるよね
そうだね。基本的には私も同じ意見だよ。保険会社に運用を任せる分、費用が余計にかかってしまうんだ。
ただ、実は普通に資産運用するよりもお得になる保険もあるんだ。
今日はその保険について解説していくよ。
・つみたてNISAやiDeCoをやり切ったけどまだもう少し投資に回す余裕資金がある人
・まだ生命保険に入っていない人
時間がない人はここだけ読んで
保険について解説
生命保険の種類
世の中にはたくさんの生命保険がありますが、
大きく分けて掛け捨て型の保険と積立型の保険の2種類があります。
掛け捨て型の保険は、月々に支払う額は小さく済みますが、解約した時にお金は戻ってきません。
積立型の保険は、月々の支払金額は大きいですが、掛け捨て型と違ってそれを一定割合貯金のように積み立てていきます。
そのため、解約したときや満期を迎えた時に積み立てた分のお金を受け取ることができます。
今回は保険での資産運用がテーマなので積立型について話します。
積立型保険の種類
積立型保険にも色々なタイプが有り、終身保険、養老保険、個人年金保険の大きく3つあります。
細かい違いは色々ありますが、終身保険は保障機能に重きが置かれていて、個人年金保険は資産運用に重きが置かれているイメージです。
養老保険はそのハイブリットで、保険料支払期間中は手厚い保障を、保険料支払期間が終われば、保険金と同額以上のお金を受け取ることができます。ただし、その分保険料が高いです。
今回は保険での資産運用がテーマなので個人年金保険について話します。
個人年金保険の種類
個人年金保険にも色々ありますが、軸としては
円貨建てなのか外貨建てなのか
定額保険か変額保険か
の2軸があります。
円貨建て×定額の個人年金保険
円貨建て×定額の個人年金保険としては、JAライフロードが挙げられます。
これは個人年金保険料控除を有効活用するのに優れた保険で個人的にもオススメです。
今日の本題ではないので、気になる方は下記の記事を御覧ください。
外貨建て×定額の個人年金
外貨建て×定額の個人年金としてはマニュライフ生命のこだわり個人年金があります。
このタイプで注意が必要なのが、定額なので将来受け取れる額は決まっていますが、それは外貨建で決まっているので、実際には為替リスクは引き続き存在します。
その代わり円貨建てよりも利率が良いです。
マニュライフ生命のこだわり個人年金については下記を御覧ください。
円貨建て×変額の個人年金保険
今日の本題のソニー生命の変額個人年金はこのカテゴリーに入ります。
そもそも変額保険とは将来受け取れる年金の額が確定していない保険です。
なぜ確定していないかというと、変額保険では投資信託等で資産を運用し、その運用成績に応じて受け取れる額が変わってくるためです。
定額個人年金は将来増える利率が確定している分、それは低い利率になっています。(国債で運用してリスクを取らないため)
変額保険は投資信託でリスクを負った運用をする分、より高いリターンが得られる可能性が高いです。
ソニー生命の変額個人年金については下記を御覧ください。
1点注意が必要なのは、変額個人年金は個人年金保険料控除ではなく、一般生命保険料控除の対象となります。
変額保険は個人年金保険料控除の要件を満たさないためです。
保険での資産運用と投資信託の違い
保険での資産運用の特徴
保険での資産運用は3つの特徴があります。
①保険関係費が取られること(デメリット)
②生命保険料控除が使えること(メリット)
③解約返戻金は譲渡所得ではなく一時所得となること(メリット)
①保険関係費が取られること
Youtube等で積立型の保険がおすすめされていないのはほぼこの理由が大きいです。
保険会社に運用代行をお願いするような形になるので、結構な手数料を取られます。
通常の投資信託であれば信託報酬は高くて1%、emaxis slimなどの優良投資信託であれば0.1%を切ります。
それに対して保険関係費はおおよそ15%~30%が取られます。
保険関係費は明らかにされておらず、会社や商品ごとで違いがありますが、ソニー生命の変額個人年金でだいたい15%ほどです。(かなり安いほうだと思います。)
②生命保険料控除が使えること
保険なので投資信託と違い、生命保険料控除を使うことができます。
ただし別で掛け捨て型の生命保険に入っていて、枠を使い切っている場合は使うことができません。
生命保険料控除を使うと所得税率にもよりますが、1万円程度が年末調整で返ってきます。
③解約返戻金は譲渡所得ではなく一時所得となること
これが変額保険の特徴ですが、運用益が出て、解約返戻金が元本を上回ったので解約して利益を確定させた場合、利益分は一時所得となります。
通常の投資信託であれば譲渡所得となり、金融商品の譲渡所得は自動的に20%の税金が引かれます。
一方、一時所得であれば年間50万円の一時所得特別控除があるので、50万円の利益までは実質非課税となります。
つまりどういうことか?
上記のメリット・デメリットを比較して、メリットが上回れば投資信託よりも変額保険での資産運用が良いことになります。
次はそれを見ていきます。
ソニー生命世界株式型とemaxis slim S&P500の比較
年間で5万円を投資した場合
下記のような成績になりました。
ソニー生命世界株式 | emaxis slim S&P500 | |
投入金額(A) | 50,000 | 50,000 |
保険関係費(B) | 15% | 0% |
運用金額(A×(1-B)) | 42,500 | 50,000 |
2021年の騰落率(C) (2021年6月~12月) | +15.3% | +19.6% |
運用後の金額 | 48,982 | 59,821 |
税引き後 | 48,982 | 57,857 |
生命保険料控除での利益 | 9,750 | 0 |
トータル | 58,732 | 57,857 |
実質騰落率 | 17.46% | 15.71% |
標準偏差 | 3.55% | 5.45% |
シャープレシオ | 4.92 | 2.88 |
保険での運用は保険関係費が引かれてから運用に回るので運用に回る金額は小さくなっています。
さらに、運用成績ではソニー生命世界株式型はS&P500の運用成績を下回っています(15% vs 19%)
そのため、税金や保険料控除を考慮しなければ、ソニー生命世界株式型は良いことがありません。
しかし、運用後の金額から税金を引く段階で、ソニー生命世界株式型は利益が50万円を超えていないので非課税となるのに対し、emaxis slim S&P500では20%の税金が引かれます
(余談ですが、NISAで運用している場合は税金が引かれません)
さらにソニー生命世界株式型は保険料控除があります。
年間保険料が5万円で所得税率20%の場合は9750円が年末調整で返ってきます。
それらを合計して考えると、ソニー生命世界株式型での運用はemaxis slim S&P500に投資するよりもお得ということがわかります。
さらに言えば、ソニー生命世界株式型はモルガン・スタンレーが頑張って運用しているアクティブファンドだけあって、リスク(=標準偏差)が小さいです。
そのため、リターンをリスクで割ったシャープレシオはソニー生命の世界株式型が大きく上回っています。
年間で50万円を投資した場合
一方で、年間50万円を投資した場合は下記のようになります。
ご覧いただければわかるように、ソニー生命世界株式型のボロ負けです。
なぜかというと、生命保険料控除の枠は小さいので50万円を投資しても年末調整で戻ってくるのは1万2千円にとどまり、
さらに投入金額に対してかかる保険関係費の割合は変わらないため、保険関係費>>生命保険料控除となるためです。
ソニー生命世界株式 | emaxis slim S&P500 | |
投入金額 | 500,000 | 500,000 |
運用金額 | 425,000 | 500,000 |
運用後の金額 | 489,819 | 598,214 |
税引き後 | 489,819 | 578571 |
生命保険料控除での戻し | 12,000 | 0 |
トータル | 501,819 | 578,571 |
実質騰落率 | 0.36% | 15.71% |
標準偏差 | 3.55% | 5.45% |
シャープレシオ | 0.10 | 2.88 |
年間5万円程度の投資の場合は、ソニー生命の世界株式型はおすすめ。
一方で年間50万円投資するならおとなしく投資信託がおすすめ。
つまり、保険での資産運用は少額限定にするべき。
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