個人年金保険料控除が使える保険で最もお得だと思われるJA共済ライフロードについて解説していきます。
個人年金保険料控除を使った節税ならこの保険以外にはないと思うほど、お得なものとなっています。
一方で保険商品ではあるので、投資信託と比べると基本的にリターンは劣ります。ただしJA共済ライフロードはやり方によっては投資と同じくらいのリターンをリスク無しで得ることができます。
ただし、直近の2021年4月で予定利率の最低保証の改定があり、今から入るとお得度は少し下がっている可能性があります。この記事は以前の予定利率をベースに記載しています。
利率改定前後を比較すると下記になります。
改定前 | 改定後(2021年4月以降) | |
加入後5年間の予定利率 | 0.5% | 0.3% |
6年目以降の最低保証予定利率 | 0.75% | 0.5% |
ご覧いただければわかるように、かなり利率が下げられています。
下げられた利率のもとではどうなるのかについては別途シミュレーションして記事を更新していきます。この記事は改定前の予定利率をもとに書いています。
JA共済ライフロードとは
JA共済ライフロードは円建ての個人年金保険になります。
基本的な使い方は60歳になるまで毎月一定の保険料を振り込んで、60歳になったらそれを原資として個人年金を受け取るというものです。
この保険には4つの特徴があります。
- 個人年金保険料控除を使える
- 月額3000円から加入できる
- 10年程度で解約返戻金が元本まで届く
- 為替リスクがない
個人年金保険料控除を使える
非常に重要な点ですが、JA共済ライフロードは条件を満たせば個人年金保険料控除を使うことができます。
通常の保険で使うことができる一般生命保険料控除と別枠での控除を受けることができるため、節税メリットを活かしやすいです。
一般生命保険料控除の枠は、掛け捨ての生命保険や明治安田生命のじぶんの積立で使い切っているという人もJA共済ライフロードに入ることによりさらに保険料控除を受けることができます。
月額3000円から加入できる
JA共済ライフロードは月額3000円から加入することができます。
以前個人年金保険として紹介したマニュライフ生命のこだわり個人年金は月額1万円からでした。それと比べると低額で加入することができます。
保険での資産運用において、実質の利率を高めるためには、月額の支払い額は5,000円以下に収めるべきです。
これは住民税への保険料控除は年間56,000円以上の支払いで28,000円の控除が限度となっており、56,000円以上支払っても控除額は増えないためです。
年間56,000円なので、月額換算だと約5,000円です。
そのため、JA共済ライフロードは保険での資産運用で利率を高めるための要素を満たしています。
10年程度で解約返戻金が元本まで届く
保険商品は、途中で解約すると元本割れする商品が多いです。
このJA共済ライフロードも基本的にはその構造なのですが、この保険は10年程度で解約返戻金が元本を上回ります。
この10年で元本まで届くというのは他の保険と比べると圧倒的に早いです。通常の保険だと20年以内に解約すると元本割れするものが多いですが、JA共済ライフロードは半分程度の期間で済みます。
「解約することなんて考えないから関係ないよ」と思う人もいるかもしれないですが、後で紹介する最も利率を高くする方法を実践するには、この10年で解約返戻金が元本に届くという点が非常に重要になります。
※ただし10年で元本まで届くのは最低予定利率の変更前の数字のため最新では変わっている可能性があります。
為替リスクがない
円建ての個人年金保険であるため、為替リスクがありません。
保険商品ですので、元本保証もあり、為替リスクもないから非常に安定した投資が可能です。
ただしインフレリスクは依然として存在するので、そこは注意が必要です。(6年目以降は最低保証付きの変動利率であるため、銀行の定期預金に預けておくよりはインフレリスクへの対応もできていますが)
最も利率が高くなる使い方
ここまで特徴を見てきました。
基本的にはこの保険は非常に良い商品です。ただし、投資として見た時に唯一にして最大の欠点が、利率が低いということです。
6年目以降は変動利率となり、多少は増えていきますが2020年度適用の予定利率でも1.44%でした。
これは株式に投資した場合と比べるとかなり劣ります。
その唯一の弱点である利率が低いということをカバーできる方法について解説します。
個人年金保険料控除を最大限活かす
生命保険料控除は保険での資産運用の最重要点です。投資信託を買っても、節税はできない(iDeCoは除く)ですが、保険での資産運用は節税できます。
つまり、年末調整でキャッシュバックが受けられるということです。
ただし、生命保険料控除額には限度がありますし、基本的には保険料の支払額が小さいほど保険料支払いに対する年末調整で戻ってくる金額の割合は高くなります。
所得税率20%の場合の試算が下記です。
月払い保険料 | 年払い保険料 | 年末調整キャッシュバック | キャッシュバック率 |
3000 | 36,000 | 7,900 | 21.94% |
4000 | 48,000 | 9,000 | 18.75% |
5000 | 60,000 | 9,800 | 16.33% |
6000 | 72,000 | 10,400 | 14.44% |
7000 | 84,000 | 10,800 | 12.86% |
8000 | 96,000 | 10,800 | 11.25% |
9000 | 108,000 | 10,800 | 10.00% |
10000 | 120,000 | 10,800 | 9.00% |
そのため、月払い保険料を最低の3000円に収めると実質利率も最大化することができます。
ただし、支払う金額が少ないため、儲かる額も少なくなります。(率はいいけど、額は低くなる)
10年目前後に解約する
保険での資産運用は上記の保険料控除によるキャッシュバック効果をいかに最大化するかが重要です。
ただし、保険料控除によるキャッシュバック効果は複利が働きません。(累計の支払い保険料が増えても、キャッシュバックされる額は毎年一定で増えるわけではない)
そのため、長期間の投資にすればするほど、複利運用で回る投資信託と比べて利率が低下します。
幸い、JA共済ライフロードは解約返戻金が立ち上がるのが早いため、早期での解約をしてもちゃんと解約返戻金が戻ってきます。
そのため、10年程度個人年金保険料控除の恩恵を受けた後は、この保険は解約して、解約返戻金を受け取るようにしましょう。
そうすると、株式に投資するのと同等程度のリターンを期待することができます。
オススメは、10年前後で解約することです。所得税率20%で毎月3000円の保険料をかけているものを10年前後で解約すれば、複利利回りで
4.6%程度の利回りになります。
投資信託の場合だと、利益に対して20%の税金がかかるため、保険での利回り4.6%は投資信託での6%相当の利率となります。
S&P500に投資したときの平均期待利回りが5%~7%と言われているので、まさに株式に投資するのと同じくらいのリターンです。
しかも、JA共済ライフロードでの運用は元本保証かつ為替変動がないので、リスクはほぼ0です。
さらに、最低保証利率で計算しているので、JA共済ライフロードのほうの利率はもう少し良くなる可能性が高いです。
つまり、リスク0で株式を上回るリターンを生み出すことができます。
まとめ
保険での資産運用として、JA共済ライフロードについて見てきました。
以下の2つに気をつけることで、リスク0で株式を上回るリターンを得ることができます。
- 月額の支払いを3000円にする
- 10年前後で解約する
ただし、支払額が少ない分、利益額もあまり期待できません。10年間で9万円〜10万円前後の利益になります。
保険の契約には若干の手間がかかったりするので、人によっては面倒臭さとリターンがあってないなと思うかもしれません。
いずれにしてもメインは投資信託でのインデックス投資、サブ的に保険も絡めていく程度が良いと思います。
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