レバレッジ型黄金のポートフォリオの作り方

レバレッジ投資信託

アンソニー・ロビンズの「世界のエリート投資家は何を考えているのか」では黄金ポートフォリオの作り方が公開されています。

レイ・ダリオの「オール・ウェザー」ポートフォリオはどの時代でも負けないことを目指したポートフォリオで、それを個人投資家向けに簡単にしたものが本書の中で語られている「黄金ポートフォリオ」です。

黄金ポートフォリオはどのような情勢でも確実に利益をあげることを目指しているために、リターンが大きくならないことが欠点だと個人的に考えています。

そのため、黄金ポートフォリオにレバレッジをかけることが大きなリターンを小さいリスクで実現する最良の戦略の一つであると考え、それを簡単に実践する方法をこの記事で紹介します。

名付けて、レバレッジ型黄金ポートフォリオです。

これは、「ウォール街のランダム・ウォーカー」で紹介されているリスクパリティ戦略にも整合するものです。

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結論

レバレッジ型ポートフォリオは下記の割合で各ファンドに投資することで作成できます。

ファンド名投資割合
USA360
(楽天米国レバレッジバランスファンド)
50%
SMT ゴールドインデックス・オープン
(為替ヘッジあり)
35%
レバレッジNASDAQ10015%

レバレッジを効かせたファンドを織り交ぜて、黄金ポートフォリオを構築することで大きなリターンと小さなリスクを両立させることができています。

本の紹介

世界のエリート投資家は何を考えているのか」の著者のアンソニー・ロビンズというコーチングを専門としている人です。

つまり、この本を書いているアンソニー・ロビンズはプロの投資家ではありません。

巻末にある解説によれば、リーマン・ショックで多くのアメリカ人が職業、退職後の資産を失い、不安に苛まれる姿を見たことがきっかけで本書の執筆を決意したそうです。

アンソニー・ロビンズがパフェットやレイ・ダリオというプロの投資家にインタビューして、投資のエッセンスを聞き出したものをまとめている本です。

詳細のブックレビューは別の記事にて書いていこうと思います。

レイ・ダリオの「黄金ポートフォリオ」

本書の目玉はレイ・ダリオへのインタビューを通じて聞き出した、「黄金ポートフォリオ」の作り方を公開していることです。

レイ・ダリオは経済を「4つの季節」に分けてその組み合わせで投資価格が上下すると考えます。

すなわち、実際の成長が想定成長率より高いか低いか、インフレ率が想定インフレ率より高いか低いかの4つの季節です。

これらの4つの季節のどれが訪れても勝てるポートフォリオを作るのがレイ・ダリオの「黄金ポートフォリオ」の考え方です。

それぞれの季節で利益をあげるアセットは下記と言われています。

成長が想定よりも高ければ、株・社債・商品・金が高くなる

インフレが想定より高ければ、金や商品、物価連動債が高くなる

成長が想定よりも低ければ、国債や物価連動債が高くなる

インフレが想定よりも低ければ、国債や株式が高くなる

レイ・ダリオは「リスクが同量の4つのポートフォリオを組み合わせれば、どんな経済的環境からも守れる」と述べています。

重要なのは投資額を同量にするのではなく、リスクを同量にするというところです。

株式には債券の3倍のリスクがあるので、同額を投資すればそのポートフォリオのリスクはほとんど株式のものになってしまいます。

そのため、同量のリスクを取るためには、債券への投資額を増やす必要があるということです。

黄金ポートフォリオの弱点と対処法

黄金ポートフォリオはいつの時代も安定的にリターンを出せる優れたポートフォリオです。

しかし、リスクとリターンがともに低い債券に多く投資することで、ポートフォリオ全体で生み出すリターンは株式100%の場合と比べると劣ります。

株式30%,債券55%,ゴールド15%に投資した黄金ポートフォリオとVTIに100%投資した株式ポートフォリオでのリターンとリスクは下記になります。(Portfolio Visualizerを使ったバックテスト)

リターンリスクシャープレシオ
黄金ポートフォリオ5.78%5.96%0.97
株式100%9.96%14.87%0.67
2003年10月〜2021年5月

債券中心のポートフォリオになっていて、かつアセットが分散されていることにより、リスクが抑えられてシャープレシオはかなり高くなっていますが、リターンだけをみると株100%に劣ります。

これを解決するのがレバレッジをかけることです。

2倍レバレッジをかけることで理論上リターンもリスクも2倍になるので下記のようになります。

リターンリスクシャープレシオ
黄金ポートフォリオ5.78%5.96%0.97
黄金ポートフォリオ
(2倍レバレッジ)
11.56%11.92%0.97
株式100%9.96%14.87%0.67

こうすることで、株式100%に投資するよりもリターンも高く、リスクも抑えられている状態を実現することができます。

これがリスクパリティー戦略です。

レバレッジ型黄金ポートフォリオの作り方

私が考えるレバレッジ型黄金ポートフォリオの作り方です。

各投資信託への投資割合を下記にします。

ファンド名投資割合
USA360
(楽天米国レバレッジバランスファンド)
50%
SMT ゴールドインデックス・オープン
(為替ヘッジあり)
35%
レバレッジNASDAQ10015%

このように投資することでレバレッジを効かせた上で、実質のアセット保有割合を黄金ポートフォリオにかなり近づけることができます。

USA360は投資金額の90%を全米株式に連動する指数であるVTIに投資し、残りの10%に27倍レバレッジをかけて米国債を保有します。

また、レバレッジNASDAQ100は日々のNASDAQ100の動きの2倍に連動する投資信託であるため、2倍のレバレッジがかかっています。

それらのレバレッジを考慮した各アセットの保有割合は下記になります。

実質の保有割合100%換算
75%30.6%USA360への投資金額の90%+
レバレッジNASDAQへの投資金額の2倍
債券135%55.1%USA360への投資金額の10%に27倍レバレッジ
ゴールド35%14.3%SMT ゴールドインデックス・オープン
合計245%100%

黄金ポートフォリオの投資割合である株:30%、債券55%、ゴールド15%にかなり近くなっていることがわかります。

さらに2.45倍のレバレッジがかかっています。

2.45倍のレバレッジを効かせた黄金ポートフォリオは、株式100%よりも高いリターンと低いリスクを期待することができます。

オリジナルポイントとして、直近大きく伸びており今後も伸びが期待できるNASDAQ100を組み込んで、より高いリターンを狙えるようにしています。

株にレバレッジを効かせるのが嫌という人はレバレッジNASDAQ部分を通常のNASDAQ100にしても良い(ただしその場合は投資金額を2倍にする必要あり)ですし、

NASDAQ100が嫌な人はVTIでしても良いと思います。

その場合は新しくできるSBI・V・全米株式インデックス・ファンドがオススメです。

どのくらい「レバレッジ型黄金ポートフォリオ」に投資するか?

株式100%よりも高いリターンと書きましたが、これはVTIやS&P500等の広く分散されたレバレッジの効いていないインデックスファンドと比較した場合です。

レバレッジNASDAQ100に100%投資する場合と比べれば当然リターンは劣ります。ただし、レバレッジNASDAQ100に100%投資するのはリスクもかなり高くなります。

私の今の投資への考えとしては、FIREを狙っているためリスクを取った投資をしていく必要があります。

そのため、あくまで投資の中心はレバレッジNASDAQ100にする予定で、全てをレバレッジ型黄金ポートフォリオには切り替えないと思います。

ただし、投資の一部でレバレッジ型黄金ポートフォリオがうまくいくのかは実験していこうと思います。

まとめ

あくまで机上の空論ではありますが、黄金ポートフォリオを進化させた「レバレッジ型黄金ポートフォリオ」について具体的な投資割合も交えて紹介してきました。

こちらは私自身まだこのポートフォリオに沿って投資をしているわけではないので、実際のところでうまくいくのかは未検証です。(バックテストでは良い感じ)

今後投資の一部でこのポートフォリオで継続的に投資していこうと思いますので、また続報を共有できればと思います。

しかし、個人的にこのポートフォリオはかなり良い線いっているんじゃないかと思い、期待しています。

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