REITはポートフォリオに加えるべきか?

不動産投資

ウォール街のランダム・ウォーカーを読んで、REITをポートフォリオに加えるべきという主張がされていたので、

それをうけてREITをポートフォリオに入れるべきか検討しています。

人それぞれ違うポートフォリオを持っているため、あくまで私のケースということで参考にしていただければと思います。

私はメインでレバレッジNASDAQ100(レバナス)に投資をし、一定程度ゴールドや債券に分散投資をしています。

そのような場合はREITを加えるべきかを数字を使って検証していきます。

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結論

REITでの分散はリスクが殆ど減らないので不要だと思います。

分散投資をするなら、ゴールドが一番オススメです。

債券も選択肢としてはありでしょう。

インフレに強い資産ではありますが、ゴールドもインフレ対策にはなるため、基本的には分散はゴールドでしていくのが良いかなと思います。

検証

前提

結論は先程述べたとおりですが、それに至った過程を示します。

シミュレーションの前提ですが、私はメインでレバナスに投資+ゴールドと債券を分散投資で保有という形のポートフォリオです。

そのため、それを前提にシミュレーションをしました。

検証はポートフォリオビジュアライザーのバックテスト機能を使って実施しています。

Backtest Portfolio Asset Allocation
Analyze and view backtested portfolio returns, risk characteristics, standard deviation, annual returns and rolling returns

検証に用いたETF

下記のETFを用いて検証しています。

QQQ(NASDAQ100に連動)

AGG(米国債券に連動)

Gold Price Index(ETFではなく、金価格をそのまま使っています)

VNQ(米国REITに連動)

期間は2004年11月〜2021年4月としています。

検証結果

まず、QQQに70%、AGGに15%、Goldに15%の分散投資をしているものを基準と考えます。(分散投資①)

そこからさらにREITを分散投資として加えた場合どうなるかを見るために、QQQに70%、AGGに10%、Goldに10%、VNQに10%の分散投資をしているものと比較します。(分散投資②)

また、債券の代わりにREITを用いた場合どうなるかを見るために、QQQ70%、AGGに0%、Goldに15%、VNQに15%のものも比較します。(分散投資③)

最後に、REITに入れるお金をQQQに追加投資した場合とも比較します。つまり投資割合はQQQ80%、AGG10%、Gold10%、VNQ0%です。(分散投資④)

まとめると、それぞれのポートフォリオは下記です。

分散投資①分散投資②分散投資③分散投資④
QQQ70%70%70%80%
AGG15%10%0%10%
Gold15%10%15%10%
VNQ0%10%15%0%

その結果が下記です。

分散投資①分散投資②分散投資③分散投資④
シャープレシオ0.950.890.870.91
年平均成長率12.07%12.44%12.96%12.96%
リスク
(標準偏差)
12.70%13.98%14.90%14.24%

まず、分散投資①と分散投資②の比較です。これは債券とゴールドだけで分散していたところにREITを加えたものとの比較になります。

しかし、REITをを増やした分散投資②のほうがリスクが高くなり、シャープレシオが低くなっています。

リターンは少し向上していますが、それ以上のリスクの増え幅となっているので、このケースの場合はREITを入れる必要がないと言えそうです。

次に分散投資③との比較です。これは債券の代わりにREITをいれて分散投資したものです。これも分散投資①と比べるとリターンは少し良くなっているものの、それ以上にリスクが大きくなりシャープレシオが低下しています。

ここからREITにはゴールドや債券ほどの分散投資効果はないということができると思います。

それを裏付けるのが分散投資④との比較です。分散投資④はREITをいれる予定だった金額をQQQに追加投資したものです。

REITを加えて分散投資している分散投資②と比べると、リスクは少しあがるだけで、リターンはそれ以上に良くなっています。つまり、REITで分散投資をしようとするくらいなら、NASDAQにその分を追加投資したほうが良いということを示しています。

ここから、

リスクを減らしたいなら、ゴールドへの分散で十分、リターンを増やしたいならNASDAQ100に追加投資をするで十分だということが言えます。

つまりREITの出番はありません。

他のアセットにどうしても投資したくない場合REITはありな選択か?

上記で見たようにREITでの分散はほとんど効果がなく、分散投資をするならゴールドもしくは債券が良いということがわかりました。

一方でゴールドや債券はREITに比べるとリターンが劣ることは事実です。

そのため、ポートフォリオ全体のリターンを落としたくない人にとっては、債券やゴールドは絶対に入れたくないものかもしれません。

下記で私も投資初心者に分散投資は不要という記事を書きました。その主な理由が分散投資をすることでリスクを減らすことはできるがリターンも減るというものでした。

その場合、QQQとREITの組み合わせでリターンを落とさずに、多少なりともリスクを減らすことができるのかを検証していきます。

QQQに100%投資する場合を基準として、10%ずつREITの割合を増やしていくとどうなるかを見ていきます。

シャープレシオリターンリスク
QQQ 100%
VNQ 0%
0.8314.66%17.66%
QQQ 90%
VNQ 10%
0.8114.06%17.36%
QQQ 80%
VNQ 20%
0.7913.62%17.24%
QQQ 70%
VNQ 30%
0.7613.15%17.30%

ご覧いただければわかるようにREITへの投資割合を増やすほど、シャープレシオは低下しています。

リスクはわずかに減っていますが、リターンがそれ以上に減っているためです。ここからREITに分散投資をするくらいなら、QQQに100%突っ込んでおいたほうがいいということがわかります。

(もちろん個々の年で見ればREITを入れたほうがリターンが高くなる年もありますが)

参考までに、ゴールドで同じことをやった場合は、ゴールド割合を増やすほどシャープレシオは高くなります。つまり、ゴールドはQQQとの分散をする上で有用ということがわかります。

シャープレシオリターンリスク
QQQ 100%
Gold 0%
0.8314.66%17.66%
QQQ 90%
Gold 10%
0.8814.05%15.97%
QQQ 80%
Gold 20%
0.9313.54%14.56%
QQQ 70%
Gold 30%
0.9612.95%13.49%

リターンが減ってしまっていますが、それ以上にリスクを減らせているため、効率的なポートフォリオになっていることがわかります。

ただし、リターンは減るので、どこまでリスクを下げたいかは考え方次第かなと思います。

まとめ

REITが分散投資に有用なのかについて見てきました。

検証の結果、少なくともNASDAQ100を中心に据えたポートフォリオではREITを入れる必要はないという結果になりました。

リスクを小さいする分散投資をしたいならゴールドをポートフォリオに加えることがオススメです。

ウォール街のランダム・ウォーカーで書かれていたこととは逆の結論となってしまいましたが、

投資は自分が納得して行うことが重要なので、個人的にはこれはこれで良いかなと思っています。

ただし、本で書かれていたとおりにやったほうが投資を長く続けられそうと思う人は本に倣うのも良いです。

結局は投資は続けたものが勝つというのが真理です。

また、この記事自体も特定の期間で実施したものなので時期が変われば投資結果も変わります。気になる方はぜひポートフォリオビジュアライザーで分析してみてください。

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