新興国株式に投資するべきか?

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今日は新興国株式について見ていきたいと思います。

新興国のほうが成長の勢いがあるから、早いうちから投資することで大きな成功を得られそうと考えている人もいるのではないでしょうか。

また、分散投資の観点から新興国株式への投資を考えている人も多いと思います。

そんな各方面から注目される新興国株式ですが、実際のところ長期投資に向いているのかについて、データに基づいた個人的な意見を書いていきます。

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結論

新興国株式は、伸びるときは爆発的に伸びるというメリットはあるものの、長期間に渡って成長しない時期が続くこともあり、長期投資を続けていくには不向きだと考えます。

淡々と続けることが重要なインデックス投資においては、調子が悪いときも着実な伸びを見せ続ける米国株式がオススメです。

分散という観点から新興国株式をポートフォリオに組み込んでもシャープレシオは上がらず、それほど効果的ではないため、不要と考えます。

新興国株式の動き

新興国株式がどのような動きをしているかを米国株式と比較しながら見ていきます。

新興国株式はEEM、米国株式はVTIとそれぞれの指標に連動するETFの基準価格をもとに、2003年5月を100としたときの値動きを示しています。(yahoo financeより作成しています。)

2003年5月にからみると、新興国株式は4.3倍、米国株式は4.8倍となっています。直近の値動きは同じような動き方をしていますが、2015年くらいまでは異なった値動きをしていることがわかります。

それぞれ見ていきます。

2003年〜2007年:新興国株式の天下

2000年代の前半は新興国が絶好調の時代でした。

全米株式も安定した成長を遂げており、5年弱で1.6倍強となっていますが、この時期の新興国の伸びはめざましく、5年弱で4倍となっています。

BRICsが話題となっており、新興国の成長に注目が集まっていた時期でした。

ただこの間も新興国ほどではないが、米国株式も着実な成長を遂げているというのが高評価です。

リーマンショックによる暴落

2009年にはリーマンショックがあり、世界中で株価が下がりました。その下げ幅は全米株式と新興国株式で違いはあるでしょうか?

数字を見ると、新興国株式のほうが落ち幅が大きいです。

全米株式、新興国株式ともにリーマンショック前の最高値は2007年10月となっています。2007年10月からの下落率でみた時に、全米株式は▲52%、新興国株式は▲62%となっています。

チャートで見ると新興国株式のほうが鋭く落ちていることがわかりますね。

わずか1年半で半分になってしまうというのはなかなか恐ろしいです。

リーマンショックからの回復

その後、株価は回復していきます。

その回復の仕方に違いはあるでしょうか?

下落幅と同様に上昇幅も新興国株式のほうが大きくなっています。

下落も上昇も新興国株式は全米株式よりも激しく動いており、ジェットコースターのように動いているイメージです。

2011年〜2014年:新興国株式不遇の時代

リーマンショックからは良い回復を見せたものの、2010年代前半にまたしても新興国株式の不遇の時代がやってきます。

2010年代前半は全米株式は5年で1.5倍程度伸ばせているのに対し、新興国株式は5年でまさかのマイナス成長となっています。(▲20%程度)

5年間持ち続けてマイナス20%になるというのはなかなかショックな体験で、これ以上持ち続けるのはやめたほうがいいのかなと思ってしまう人が多いのではないかと思います。

上げって下がってマイナスならまだしも、ほぼ一貫して横ばい、マイナスの動きが続いているのでなかなかキツイのではないかなと思います。

2015年〜2019年:新興国はなかなか伸びず

2015年〜2019年は2010年代前半ほどではありませんが、新興国株式が不遇の時代が続きます。

5年間で米国株式は1.6倍に成長したのに対し、新興国株式は1.15倍にとどまります。

特に2015年〜2016年の間は元本割れが続いており、その後回復を見せるも、2018年にまた大きく下げています。

その間米国株式は着実な成長を遂げており、最終的な利益で大きく上回っています。

コロナショックによる暴落

そして、2020年3月にコロナショックによる暴落が発生します。

こちらも米国株式と新興国株式で違いがあるかを見てみます。

コロナショックによる下落幅は米国株式・新興国株式ともに同じ位となっています。

2019年12月と比較して米国株式▲21%、新興国株式は▲23%となっています。

コロナショックからの回復

その後すぐにコロナショックからの回復が始まります。

2020年3月〜2021年3月の値動きを見ることで回復の動きを比較します。

チャートから明らかなようにコロナショックからの回復は双方ともほぼ同じ動きとなっています。

新興国株式の動きまとめ

ここまで2003年から現在に至るまでのデータを見てきました。

米国株式と比較して、新興国株式の動きの特徴は下記3点があると思います。

3~5年というある程度長いスパンで低迷することも多い。一方米国株式は停滞していると言われている時期でも基本的には右肩上がりの動きを見せていて、長期間横ばい・下落することは少ない。

②上がるときの爆発力は新興国株式が大きい。

③〇〇ショックでは米国株式だろうが、新興国株式だろうが同じように影響を受ける、ないし新興国株式のほうが強く影響を受ける。

まとめると、新興国株式はうまく相場に乗れれば強いが、長期間での積立投資には米国株式ほどは向かないと考えます。

今後の見通し

今後また新興国株式が一人勝ちするような時代は来るのでしょうか?

未来のことはわかりませんが、個人的には中国企業の躍進が加速する事はあると考えています。

ただし、それが株価の好調につながるかというと、2000年前半ほどの大きなものにはならないと考えています。

それは、中国の成長への期待は既に株価に盛り込まれている可能性が高いことと、躍進する中国企業の多くはIT系の企業だと考えており、それらの企業は米国の株式市場にも上場しているものが多いためです。

そのため、基本的にはNASDAQへの投資が最適解かなと考えています。

(繰り返しですが、未来のことはわからないのでこうなったらいいなという願望も含まれています)

まとめ

新興国株式について見てきました。

米国株式と比べると、安定性にかけており、積立投資には向かないかなと思いました。

一方で中国企業の躍進は目覚ましいものがあり、今後中国企業が米国企業と世界を二分する流れは続くと考えています。

問題はそれがどのくらい今の株価に盛り込まれているのかということです。

個人的にはあくまで少額の中国への投資は続けていきたいと思います。

ただ、基本的にはメインとして米国株式、とりわけNASDAQへの投資をしていくのが良いのかなと思います。

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