今回は、社会人大学院に行くメリット・デメリットについて書いていきたいと思います。
最近まで社会人大学院に通っていた私の実体験に基づきます。
社会人大学院に興味がある人はぜひ見ていってください!
社会人大学院に行くメリット4選
①高い専門性が得られる
メリットの一つ目は、高い専門性が得られることです。
最近は本やインターネットを通じて独学でも多くの知識を得ることができますが、大学院で学ぶことが優位な点は3つあると思います。
a. 体系立てて学ぶことで「点」だった自分の知識を「線」としてつなげることができる
大学院に行く前から独学で統計や機械学習の手法について勉強していたのですが、独学はそれぞれの領域について点で勉強しているイメージです。
大学院で学ぶことで、今まで点だった知識を線としてつなげることができ、それぞれの手法への理解が深まったのはもちろん、どのようなケースではどの手法を選ぶことが適切かということを判断できるようになったと思います。
b. 手法の背景や理論まできちんと学ぶことができる
独学で学んでいるときは、小難しい説明や数学的背景の部分は飛ばして、とにかく使えればいいという風になりがちかなと思います。(少なくとも私はそうでしたw)
本を読むという形だとどうしても自分が読みやすい箇所、興味のある箇所に集中してしまいがちなのかなと思います。
大学院はアカデミックな要素が強いため、理論の背景等については詳しく解説してくれるので、独学ではよくわからなかった部分についてもきちんと理解することができます。
社会人大学院の授業が実際どういったものなのかはまた個別記事を作成して詳しく解説します!
c. 研究というアウトプットの場がある
社会人大学院を修了するためには修士論文を書く必要があります。(なかなか大変ですが、普段の実務とは違う面白い体験なので、また個別記事書きたいと思います。)
大学院の授業で学んだ手法を使って研究を仕上げていくのですが、「研究」であるため、実務とは異なる大変さがあります。
具体的には、実務での分析だと分析結果を提案して、アクションにつなげることが最重要であるため、理論的に厳密に正しくなくても、ある程度OKなのかなと思います。
一方で、研究は学術的な厳密性が求められるため、何故この分析手法を使ったのか、何故違う分析手法ではないのかをきちんと整理して伝える必要があります。
その過程で分析手法のそれぞれの違い等について大きく学びを深めることができます。
②興味がある分野以外についても学べる
2つ目のメリットは自分が興味あること以外についても(半強制的に)学べるということです。
大学院の修士課程を修了するためには、30単位程度取得する必要があります。30単位を取得するためには自分の専門分野以外の授業も履修する必要があります。
大学院行き始めた当初は正直「面倒だなぁ」と思っていたのですが、振り返ってみると良い経験だったと思います。
私の体験で言うと、元々統計・機械学習・マーケティングあたりを専門的に学びたいと思い、大学院に入学したので、会計や財務については大学院行く前にはまったく関心がありませんでした。
大学院で会計や財務の授業も取る必要があり、最初は仕方なく履修していたのですが、学んでみると意外と面白いということに気づき、自主的に資格を取るくらいになりました。
さらに、会計・財務あたりの知識は現在の仕事にもかなり役立っており、ビジネスマンとして成長するきっかけになったのかなと思います。
独学していると、自分の関心のある分野ばかり学んでしまいがちだと思うのですが、大学院という場は半強制的に自分の関心がない分野についても学ぶ環境を作ってくれます。
意外と自分が現在関心がない分野でも、やってみると面白いということはあると思います。それを学ぶきっかけを与えてくれるというのは大きなメリットかなと考えています。
③立場の違う友人ができる
3つ目のメリットは、多種多様な人と知り合うことができる点です。
社会人になると会社にいる時間が長く、同じようなバックグラウンドを持つ人との交流が多いのではないかと思います。
一方で、社会人大学院には多様なバックグラウンドの人が集まります。私の同級生にはフリーランスの公認会計士をやっている方、大企業の部長、ベンチャーの役員、外資系でバリバリ働いている人等がいました。
普段やっている仕事が違うと、物事の見方や得意分野等も大きく違ってくるので、互いに刺激しあうことができたかなと思います。
また、通常の交流会等と違うのは、大学院を修了するという共通の目標をもっているので、仲の深まり方が全然違うのかなと思います。
大学院を修了するまでに、課題をこなす必要があったり、仕事との両立に悩んだり、研究が全然進まなかったり、多くの共通した悩みを持つことになります。
その悩みを一緒になって解決していくという環境は他では得られないものなのではないかなと思います。
④セルフブランディングができる
4つ目のメリットは自分に箔をつけることができることです。
大学院で専門的に学んだということで、職場の周囲の人から「この分野についてはこの人に聞こう」という感じになりました。
あまり自分から「大学院行きました!」という発信はしてないのですが、意外とみんな興味を持ってくれて、いつの間にか広まってたりします。
社会人大学院に行くデメリット3選
①忙しい
一番大きいデメリットは忙しいことでしょう。
社会人大学院の授業は18時半くらいから始まるため、基本的に大学院の授業がある日は定時で退社してダッシュで大学院に向かう必要があります。
大学院の1年目は平日でも少ない人で週2、多い人で週4授業があるので、人によってはほぼ毎日定時であがる必要があります。
(定時まではいるので何も悪いことはしてないですが)何となく定時だと退社しにくい雰囲気があったりすると、結構辛いかなと思います。
私の場合、定時で帰りにくい雰囲気は特になかったので大丈夫でしたが、仕事量は残業していた時と変わらないため、仕事が終わらない状態で大学院の授業へ向かうこともしばしばありました。
そのような時は定時で退社→大学院で2時間半授業を受ける→会社に戻り業務再開というハードなことをしなければいけないので、かなり大変です。
トライアスロンってこんな感じなのかなと大学院から会社に戻る電車の中で思ってました。
また上記は平日の話ですが、週末も土曜日は基本的に授業があります。日曜日は溜まった課題を消化する、授業の予習をする等に使う必要が出てくるため、週末はほぼ休めません。
私は結婚しておらず子どももいないので、飲みに行く時間がなくなったくらいで済みましたが、所帯持ちの人は大変そうでした。
②学費がかかる
社会人大学院は通うのにお金がかかります。
国立でも入学金20万前後、学費が50万×2年で約120万ほどはかかります。
私立だと学校によりますが、年間200万以上になるかなと思います。
会社から派遣されてる人がめっちゃ羨ましかったです。(会社から派遣されてる人は会社が学費を出してくれている)
③仕事に直結しない場合もあり
メリットで専門性を高められるということを述べましたが、正直大学院で学んだことがそのまま実務に活かすことは難しいです。
活かせる部分ももちろんあるのですが、実務では精度が高く小難しい手法よりも、理解がしやすくて早く結果がでる手法のほうが需要が高いかなと思います。
高度な手法を実務で活かしきれないのは私のビジネスセンスや理解不足のところも大きいとは思うのですが、実務と学術のギャップというのは依然として大きいのではと思います。
大学院で学んだことをいかにして実務に活かすかというのは現在の私の取り組んでいる課題でもあるので、そのあたりはまた記事作っていきたいと思います。
結論
私の実体験を基に、メリット・デメリットそれぞれ解説してきました。
私のなかの結論としては社会人大学院はお勧めできます!
理由はメリットのところで述べましたが、今まで自分が見えていなかったところを学ぶことができたというのが大きいです。
一方で学んだことがすぐにそのまま実務に活かせるかというと、必ずしもそうではないと思うので、すぐに結果が欲しいという人には向いていないかもしれません。
ただ、大学院で学んだことをいかにして実務につなげるかということを考えること自体が自分の成長につながっているポイントになっているのかなと思います。
そのため、中長期的に自分の市場価値を上げていきたい人にはぜひおすすめしたい選択肢です。
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